文章で言いたいことが表現できていないな。
この文章何かしっくりこないな。
こんな経験ないでしょうか?
今回は「20歳の自分に受けさせたい文章講義」という本を紹介します。
この本では、学校で教えてくれなかった「文章を書くということ」の本質を学べます。
文章を書くという概念をいい意味で崩してくれる1冊です。
解説の前に「20歳の自分に受けさせたい文章講義」はAudible(聴く読書)を使って、無料で手に入れることができます。
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また、解約後も「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を聴き続けることができます。
それでは解説いきましょう。
20歳の自分に受けさせたい文章講義の著者について
著者は、古賀史健さん(@fumiken)。フリーのライターさんです。
古賀さんの代表作といえば、なんと言っても「嫌われる勇気」です。
「嫌われる勇気」はシリーズ累計800万部を突破したベストセラー。
10万部以上でベストセラーといわれる書籍でその80倍売れている本です。
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は、そんな「嫌われる勇気」を書いた古賀史健さんの単書デビュー作です。
【書評】20歳の自分に受けさせたい文章講義
書評をする前にお伝えしておきます。ぼくは読書中のメモとしてTwitterを使っています。
Twitterで「#文章上達のちょっとしたコツ」で検索してみてください。
ぼくが書いた「20歳の自分に受けさせたい文章講義」に関するメモが出てきます。
それでは「20歳の自分に受けさせたい文章講義」で、ぼくが気になった箇所をツイート(メモ)を見ながら、まとめていきます。
【目次】20歳の自分に受けさせたい文章講義
- その気持ちを「翻訳」しよう
- 文章は「リズム」で決まる
- 構成は「眼」で考える
- 読者の「椅子」に座る
- 原稿に「ハサミ」を入れる
その気持ちを「翻訳」しよう
この章はガイダンスとして語られます。
3つの「再」
この本で「文章を書く」ということを次のように定義されています。
文章を書くというのは、翻訳するということである。
翻訳する?どういうこと?
そう思った方も多いはず。
順番に解説しますね。
文章を書く上で直面する問題は次の2つです。
- 文章を書こうとすると固まってしまう
- 自分の気持をうまく文章にすることができない
この本では、書こうとするから書けないのであって、書こうとするのではなく翻訳しようと提言されます。
では、翻訳するにはどうすればいいか。
翻訳の第一ステップとして、聞いた話を誰かに話すことをおすすめしています。
この聞いた話を誰かに話すことで、先程あげた「3つの再」を得ることができます。
- 再構築→自分の言葉で話すことで、話を再構築して理解を深める
- 再発見→話しているとあの人が言ってたのはこういうことかと認識する
- 再認識→自分がオモシロイと思ったことを再認識する
誰かに話してみるとこういった「再」を得ることができます。
文章を組み立てる時も、この「3つの再」を意識すると自分が何を伝えたいかがわかります。
文章は「リズム」で決まる
リズムの悪い文章とは、「読みにくい文章」のこと。
リズムの悪い文章を解消する方法を3つ紹介します。
接続詞を入れて文章がうまくつながるか?
1つ1つの文章は、論理破綻していないけど、文章をつなげると何を言いたいかわからなくなることって無いですか?
そんな時は、文章と文章の間に接続詞を入れて文章が成立するか確認してみましょう。
文章の圧迫感を避ける
読者はパッと見て、「読みやすそう」「読みづらそう」を判断しています。
この時点で、「読みづらそう」と思われてしまうとあなたの文章は読まれることはないでしょう。
「読みづらそう」の正体は圧迫感です。
その圧迫感を減らすために、次の3つに注意しましょう。
- 適度に句読点を入れる
- 適度に改行する
- 漢字とひらがなのバランスを考える
例えば、こんな感じ。
吾輩は猫である名前はまだ無いどこで生まれたかとんと検討がつかぬ何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している
夏目漱石「吾輩は猫である」引用
これだとすごく読みづらいですよね。
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生まれたかとんと検討がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
夏目漱石「吾輩は猫である」引用
漢字の量は同じですが、句読点と行間を調整するだけでこちらのほうが断然読みやすいですよね。
「圧迫感」という意味では軽減できています。
音読してチェックする
黙読するより、声に出して音読することで、簡単に文章をチェックすることができます。
音読することで次の3つに気づくことができます。
- 句読点の位置(息継ぎの所)
- 語尾のチェック(です。が2回連続)
- 重複チェック(まず最初に←同じ意味が連続)
1つ目は、「句読点の位置」です。
句読点をどこに打てばいいかわからないという時は、音読して息継ぎするところに句読点を打つと読みやすくなります。
2つ目は、「語尾のチェック」です。
これはぼくも良くするのですが、語尾に「です。」が連続で続くと一気に感想文みたいになります。
でも、音読するとその違和感に簡単に気づくことができます。
3つ目は、「重複チェック」です。
例えば「まず、最初に」。
「まず」も「最初に」も同じ意味です。
これらの読者が少しでも「ん?」と思う箇所を音読することで減らすことができます。
構成は「眼」で考える
導入文は3パターン
文章の導入がつまらないと読者は文章を読んでくれません。
導入は映画の予告編をイメージすると想像がつきやすいです。
そんな導入は大きく次の3つのパターンがあげられます。
- インパクト優先型
- 寸止め型
- Q&A型(ツイートでは全部詰め込み型)
インパクト重視型
結論を冒頭に持ってきて、インパクトを残す。
冒頭で結論をいうと、ネタバレしたら続き読んでくれなさそう…
ポイントは結論だけを冒頭に持ってくること。
周辺の文脈を断ち切ることで、読者は冒頭の結論にいたった理由を知りたくて読み進めてくれます。
寸止め型
ホラー映画の予告編などで用いられる手法です。
インパクト重視型と逆で、核心となる部分を見せずに、読者に想像させます。
ホラー映画の予告編で、叫び声だけ響かせたり、恐怖にひきつる被害者の顔だけ映すなど寸止め型の典型事例です。
ギリギリの所まで情報を開示して興味を引きつけるのがポイント。
「正解はCMのあと」テレビ番組のCMも同じです。
Q&A型
ツイートでは、全部詰め込み型と表現しているが、見せないのではなく、全部を見せるという手法。
読者は、その詳細を知りたいと続きを読んでくれます。
「主張+理由+事実」がわかりやすい文書の基本
わかりやすい文章の基本は、「主張+理由+事実」です。
- 主張→文章を通して訴えたい主張
- 理由→主張を訴える理由
- 事実→理由を補強する客観的事実
例えば、
大相撲の人気回復作としてナイター制の導入を検討したい(主張)
なぜなら、平日の昼間に取り組みを行っても会場に足を運べるファンは限られているからだ(理由)
事実、プロ野球も平日開催の試合はナイター制を導入している(事実)
読者の「椅子」に座る
読者目線で!って文章を書く時によくいわれますが、じゃあ具体的にどうすればいいの?って思いますよね。
具体的方法が解説されている章です。
オカンの目線で読み直す
文書を書いて、その文章を読み直す時「うちのオカンならこの説明でもわかるかな?」という目線で読み直すと、いい文章になります。
ここでいうオカン(母親)は、身近にいるわからない人の代表です。
そんなオカンを読者に添えて文章を書くと読者に届く文章になります。
起「転」承結でインパクトを
文章の基本として『起承転結』はよく聞きますよね?
でも、この『起承転結』難易度が高い。
起から承へ順調に流れてきたストーリーが「転」で突然ひっくり返されると、読者は混乱してしまう。
小説などのストーリがある文章では、その混乱が、大きな吸引力になるが、日常文ではトラブルになりやすいからです。
そこで登場するのが。『起「転」承結』です。
例えばこんな文章のこと。
【起】温室効果ガス削減問題が議論されている
【転】しかし、地球温暖化は本当に温室効果ガスによるものか?
【承】(疑問をいだいた理由や客観的事実)
【結】よって温室効果ガス削減の理論は根拠が乏しい
【起】に一般論を持ってきて、【転】で、一般論をひっくり返すような主張や仮設を立てる。【承】でそう考えた理由や客観的事実を語る。【結】で最後の主張。
こうすると読者と一緒に仮設を検証する一体感が生まれる。
ポイントは、【転】と真逆の一般論である【起】を持ってくるということ。
「高校野球は最高に面白い!」と主張したいのであれば、「高校野球人気が低迷している」と真逆の一般論から始めなければいけない。
原稿に「ハサミ」を入れる
推敲について書かれた章です。
接続助詞「が」をなるべく使わない
ぼくも、接続助詞「が」は良く使いがちです。
接続助詞「が」は、順接でも逆説でも使うことができる便利な接続助詞。
でも、この便利さが、問題です。
例えば、
急いで支度をしたが、間に合わなかった。
急いで支度をしたが、なんとか間に合った
この2つを並べてみると、なんかモヤッとした文章になりませんか?
急いで支度をした。けれど、間に合わなかった
急いで支度をした。おかげで、間に合った。
接続詞を変えただけでが、言いたいことはストレートに伝わる。
文章を図解できるか
論理性をチェックするには、その文章が図解できるか考えてみることが、簡単なチェック方法です。
文章を矢印でつないでみると、うまく矢印で繋げない文が出てきます。
その文章は論理破綻している可能性が高いということです。
さいごに
この「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は、文章を書く人だけが知っておけばいい知識なんでしょうと思われがちです。
しかし、この本は
文章を書く人だけでなく、人類の必読書でした。
なぜなら、書くという技術をつけると、考える技術をつけるとイコールだからです。
著者は読者の方には書く技術を身につけてほしいと熱く語っています。
まだまだ、紹介しきれていない内容が沢山ある「20歳の自分に受けさせたい文章講義」ですが、ぼくはこの本を、繰り返しインプットして、書かれていることは全てマスターしてやろうと思っています。
わたしも書く技術をマスターしたい!!
という方は、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」をながら聞きができるAudibleでどうぞ。
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